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利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言

 こんばんは、猫耳DMこと、VOCALOIDの界隈では切身魚のHNの人です。

 明日〆切パブコメ。http://otakurevolution.blog17.fc2.com/blog-entry-879.html
 という、総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言(案)に対する意見募集にメールを送ってまいりました。

(以下コピー)
あて先
c-policy@ml.soumu.go.jp

タイトル
「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言(案)に対する意見募集について

本文

 DPIの導入には断固反対いたします。明らかな「プライバシーの侵害」ではありませんか。
 ディープ・パケット・インスペクション技術(DPI)がもたらす「かもしれない」企業の広告利益よりも、「あきらかに侵害される」個人のプライバシーの方が遥かに大切に決まっています。
 このパーミッションマーケティング全盛の時代に、何ということを提案なさるのですか。時代錯誤も甚だしいと思います。
 日本国憲法第二十一条2、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第四条2、第百七十九条2及び3、にそもそも違反した提言です。
 このような提言はあってはならないことです。
 今後は、国民の基本的な権利を必ず侵害するものとなる危険な技術による検閲の検討を行うのはおやめください。
 ネットにおける各種問題は、まず情報モラル・リテラシー教育によって解決されるべきものという基本に立ち帰ってください。それは青少年だけでなく、広く全ての国民に対する教育としてお考えください。
 そして、技術的検閲の禁止を通信法に明文で書き込むことのほうを、是非検討していただきたいと思います。
 一部の企業や権利団体の利益、それも「実施したところであるかどうかも不明な利益」のために、「国民の基本的人権を侵害する」ような提言をするために、研究会はあるのでしょうか。
 そのような悪質な提言を美文で飾り立てるために、税金と人的資源が使われているのだとしたら、私としては総務省の事業実効性にたいへんな疑問を抱かざるをえません。
 より現実的、かつ実施にあたって経済の発展と国民の権利をともに利するような施策のみに注力する検討が進むことを、期待いたします。

(前とは別の捨てアド、住所、本名併記。)
(コピーここまで)

「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」会議資料
http://www.soumu.go.jp/menu_sosiki/kenkyu/11454.html

 意見募集対象:「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言(案)(別紙1)
http://docs.google.com/viewer?url=http://www.soumu.go.jp/main_content/000062003.pdf

 上記サイトで記録など拝見しましたが、CGM(シー・ジー・エム)検討WGの設置についてなど、CGM=クローズド環境の出会い系、犯罪誘発の温床、と位置づけているかのような議論もございます。
 利用者視点を踏まえていらっしゃらないように感じます。
 なぜこのパブリックコメントにわたくしがピリピリしているかと申しますと、事業者ではなく、非営利の個人でSNSを運営している『ボーカロイドにゃっぽん』のことが気がかりなためです。

 SNSという情報技術がもたらした、新たなコミュニケーション手段/場には、現実世界と同じような犯罪や良くない行いの『可能性』があります。
 だからといって、そこに検閲があるべき、という論理はあってはならないはずです。
 また、企業広告という『あるかどうかも不明な利益優先の論理』が、個人の通信の自由という『憲法で保証されるべき基本的人権』に優先してよいはずはございません。
 情報技術がもたらした、新たなコミュニケーション手段/場には、現実世界と同じような犯罪や良くない行いの『可能性』があります。
 そうした『可能性』を、参加者一人一人の自主的な取り組みで減らしていくように努力しているのです。それは、仮想世界でのことであっても、現実世界と何一つ変わることがありません。
 参加者一人一人の自主的な取り組みの例を挙げましょう。
 非営利の個人でSNSを運営している『ボーカロイドにゃっぽん』において、私は先ごろ、地元のオフ会企画をコミュニティにて告知しました。
 この告知には、『イベント参加に関する注意について』という、『ボーカロイドにゃっぽん』管理人さんの記事リンクを貼ってあります。その記事はこういう風にかかれています。

(引用ここから)
昨今、同人活動やコスプレ活動に注目が集まるにつれて、参加者数も増えいくつかの種類のトラブルをよく聞くようになりました。以前にも書いたことがありますが、イベント参加には様々な危険がありますので、注意をお願いいたします。
(引用ここまで)

 主な内容は次の3つ。

1.「個人情報開示やオフ参加は慎重に」お願いいたします、という注意喚起。
2.雑誌誌上において同人イベントでの悪質な勧誘行為やコスプレイヤーの方への不適切な接触を行う事例が取り上げられているようです、という現在最も話題になっている事例の紹介。
3.注意喚起の記事を上げている、SNS参加者の日記リンク紹介。

(引用ここから)
同じ趣味興味を持つ人同士が集まって話ができる機会はとても貴重で楽しい時間になりますが、それに乗せられた状況で自分の情報をうっかり伝えてしまうと思わぬことにならないとも限りません。楽しいイベントが残念な出来事に変わってしまわないように、ぜひともイベントにおいても、同性異性問わず個人情報の扱いについては慎重な行動を心がけていただければと思います。
(引用ここまで)

 こうした管理人さんの献身と、参加者一人一人の自主的な取り組みは、年齢の高低を問わずに行われています。
 趣味の集まりが犯罪の温床と思われてはたまらない、という思いは誰もが同じなのですから。
 そして特に学生さんや親御さんのもとを離れて一人暮らしをなさる若い方は、普段から格別の配慮をなさっておいでです。今回はそうした方々も参加できるよう、お昼の、お酒を飲まない集まりを企画しました。
 趣味の集まりが犯罪の温床と思われてはたまらない、という思いは私も同じなのです。あからさまな犯罪だけでなく、洗脳やカルト、無店舗販売やらの勧誘と思われるのも御免です。
 他の趣味の界隈のさまざまなお話を見聞きしたり、自分でも危険感知する事例がございましたので、ものすごく気をつけて企画しました。
 自分の企画したイベントで、お家に帰るまでに危険な目や不快な目にあう実在青少年や実在中年が居てほしくありませんからね。

 こうした参加者の自主努力を無視して、「あるかどうかもわからない広告収益をあげたい」という企業の論理から、SNSやクローズドネットワークに検閲がまかり通る(広告がOKとなれば、次は何が来るとお思いで?)。そのような提言はあってはならないことだ、と感じます。
 経済の繁栄は、法の遵守に基づいてこそ追求すべきものです。
 通信の自由を侵害してまで提言するべき性質のものではございません。
 ましてや、広告の次は違法音楽ダウンロードの監視、次は児童ポルノの制限のための監視、次は性的・暴力的有害情報の監視、という提言がくるではないか、と危惧しております。
 貧すれば鈍す、とはよくいったものでございますが、貧しても失ってはならないものがございます。
 それは基本的人権の尊重です。
 そして、こうした提言で下地をつくることの意図が、私には危険なものに思えるのです。
「自治体職員や総務省職員だけでは実効性のある運用は無理です。
ここはひとつ、経験豊富な警視庁退職者や地方警察退職者の皆さんで、独立行政法人として取り組んでいただきたいのですが!」
 というお話をなさりたいのではないでしょうか?と。
 地方警察退職者が毎年1万人以上でるご時世です。そこにもってきて、安易な独立行政法人やNPO、NGO乱立で予算を引き出そうとされては困ります。
 民間企業退職者の皆さんが、どれだけ頑張って日々の暮らしを立てていらっしゃることでしょう。
 失業した人が、どんな思いで日々仕事を求めていることでしょう。私自身も、昨年の今頃は失業し、ものすごい焦燥を理性でなだめながら生きておりました。
 特定技能者育成資金が貸与してくださったお金がなかったら、職業訓練をやりおおせたかどうか。
 育成資金で貸与されたお金は、国民の血税です。世の中に1人でも多く、役立つ技能を持った人材を送り出してほしい、失業者が減ってほしい、という人々の願いがこもったお金です。
 そうした『願いのこもったお金』をいただいて学んだことを、世の中全体の役に立つことでお返ししたい。
 その意志が私の『今』を決定付けております。
 だから余計に、安易な独立行政法人やNPO、NGO乱立で予算を引き出そうとされては困るのです。人々の『願いのこもったお金』は、検閲に使って欲しくないのです。

 SNS全てが、わたくしの参加しているSNSのように、参加者の自律自助で成り立っているわけではない。それは承知しております。
 CGM、ここでは資料のようなSNSに限らず、pixivやピアプロのような消費者生成型メディア、投稿サイトについても同様です。わたくしは知恵と経験、危険感知センサーで上手く渡っておりますが、

「イベント参加者(特にコスプレイヤー)は注意してください。 」『ボーカロイドにゃっぽん』外部公開日記
http://v-nyappon.net/?m=diary&a=page_detail&target_c_diary_id=812654

 のような呼びかけが行われざるを得ない事態も発生しているのです。
 ですが、検閲ありきの提言は、あまりに乱暴な決め付けではないでしょうか。
 イベント参加者が気をつけねばならない、不快な事態は1980年代からありました。情報技術がなかった時代には、出会い系や犯罪にはならないものの危険な事態も存在しなかったのでしょうか?
 そんなことはございますまい。
 むしろ、『万が一』があっても、逆に「最近あの人見ないね」で終わってしまっていたのです。また、口コミはTwitterより曖昧な『うわさ』でした。速度も劣り、精度も劣っていたのです。『過去』を『金色の光に包まれた平和な時代』の幻想に置き換えて語ってはなりません。
 新しい情報技術には、「間違った情報も拡散しやすい」など弊害もあります。ですが、情報技術のおかげで『万が一』の際の情報拡散も、上記のごとく迅速に行われるようになっています。
 新しい技術がでてきたなら、良い部分もあり、悪い部分も当然あります。人々はそれにきちんと対応しようと自分達で努力しているのです。
 青少年・中年の情報技術リテラシーを侮ってもらっては困りますね。
 情報弱者と呼ばれる人たちの、振り込め詐欺被害などを見聞きするにつけ、むしろ彼らへの手厚い教育が必要にして喫緊の課題と思われます。

 ところがそこにもってきて、海外諸国で猛反対がおきて廃案となったDPI(ディープ・パケット・インスペクション技術)を提案するというのは、現状認識がおかしいと申さざるをえません。
 利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題を研究なさるはずの会が、なぜこのような妄言を提案なさるのか。わたくしにはどうにも理解できかねます。
 利用者視点を踏まえたICTサービスとおっしゃるのでしたら、メールにも書きましたように、
「技術的検閲の禁止を通信法に明文で書き込む」
 ことを、是非検討していただきたいと思います。
 こちらのほうが、日本国憲法第二十一条2に即した法令のあるべき姿ですし、もっと早くに法文化されてしかるべきだ、と思えるためです。悪質な提言を美文で飾り立てるために、税金と人的資源が使われているのだとしたら、私としては総務省の事業実効性にたいへんな疑問を抱かざるをえません。
 より現実的、かつ実施にあたって経済の発展と国民の権利をともに利するような施策のみに注力する検討が進むことを、期待いたします。
 そして、日本が検閲国家になりませんように。
 ジョージ・オーウェルの『1984年』に出てきたビッグ・ブラザーは、この世に実現して欲しくないSF設定の一つです。他にも有川浩の『図書館戦争』とかいろいろ、実現して欲しくない設定が沢山ございます。
 実現したら『耐え難い現実の一部』でしかありません。
 フィクションはフィクション、絵空事のままで楽しみたいものです。
 人生の楽しみは尽きませんのぅ!はっはっはっはっ。

(追記:ご自分で何らかの意思表示をなさりたい方は、上記メールアドレスに同じようなタイトルでメールをお送りになるとよいかと思います。
私の拙い文章がなんらかの参考になるのでしたら、丸写しはいけませんが、ご自分の言葉に援用していただいて結構です。何も問題はございませんよ。)
by GrandGM | 2010-05-09 22:35 | ニュースネタ
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